武術太極拳とは・・・

太極拳は伸びやかで大きく、ゆったりとした動作であり、意識・動作・呼吸の三つが調和して運動をするのが特徴です。柔らかい動きで相手の力を外しバランスを崩して合理的な力を用いて相手を倒す技法、すなわち化勁の武術であり、用意不用力を旨とします。
太極拳の動作はすべて陰陽が交替するものであり、虚と実、合と開、蓄と発などが互いに入れ替わり変化します。陰の部分が重要で有用であることに着目して動作します。

武術太極拳とは・・・

武術太極拳の歴史

太極拳は中国に伝わる伝統武術のひとつであり、徒手だけではなく、剣・刀等の武器を使うものもあります。日本では太極拳が広く行われるようになって、約40年がたちます。

中国武術の起源はかなり古く、様々な技法を組み合わせた数多くの武術の流派が生まれ、河南省で考案された武術の一つと、18世紀に武術家の王宗岳が著した『太極拳論』が結びついて太極拳という名称が用いられるようになりました。

格闘技としての武術は、社会状況の変化につれて、しだいに健身、スポーツ種目として心身の鍛錬と修養を目的とするようになっています。

日本では太極拳の愛好者が圧倒的に多く、1956年に編纂された簡化二十四式太極拳が普及しています。太極拳と長拳、南拳や各種の中国武術・中国拳法を総称して、「武術太極拳」という名称で普及されています。

武術太極拳の歴史

競技の基本ルール

試合は、演武競技が主であり、定められた時間とルールに基づいて、縦8m、横14mのコートの中で1人(組)ずつ演武し、審判員が与える得点によって順位を決定します。
太極拳、太極剣、長拳、剣術、刀術、槍術、棍術、南拳、南刀、南棍等の種目を行います。
従来、演武競技は選手が各種目の武術の特徴を備えた足技、打法、跳躍技などを自分で組み合せて演武する自由演技で競われてきましたが、国際化の流れのなかで、技術の向上を促進し、また、採点をより合理的に行うために、武術競技用統一規定演武型(規定套路)が定められ、第11回北京アジア競技大会(1990)から、この規定演武型が採用されています。
競技の採点は、10点満点からの減点方式で行い、武術としての姿勢や動作の正しさ、動作の均衡と力の運用の正しさ、精神・風格等の表現について判定し、演武時間の過不足等の減点も行い、最終得点とします。

【文責】 NPO法人長野県武術太極拳連盟